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海外のイベント行ってワンピ買ってきたレポ(前編)
ウィーンのコミックイベントレポとドイツ語版ワンピレポ。クソ長ェので前後に分けます。まずイベントレポから。
先月しばらくオーストリア方面に行っていたんですが、本来の目的とは別に買って帰りたいものがありまして。まあワンピの51巻と52巻なんですけども。慣れ親しんだマンガが別言語に訳された時にどんな違いが生まれるのか、すごく気になったのです。
オーストリアはドイツ語圏なので、キャラはみんなドイツ語で喋るわけですよ。名前も変わってるかもしれない。そりゃ見たいさ。ピンポイントに言えばキラーの「違いない」がどう訳されているのか知りたかった。
到着して早々、大きな本屋にならコミックスが置いてあることは確認しました。が、大概1巻と現地での最新刊であろう62巻とその他数冊しか置いていません。61巻を立ち読みしたのですが、十六点鐘のくだりがドイツ語訳だと文章的に長くなるので、キッドもキラーも超おしゃべりに見えるわーなどと思いつつ、何だか無性に照れて本棚から出したり戻したりしました。とりあえず51巻がなかったら61巻を買って帰ることを決意。
しかし国内において町なかでワンピ関連物を見かけるのはともかく、国外に出てもなお手に届くところに存在してるってえらいこっちゃなあと思いました。日本から1万キロ離れてもなお本屋行ったらキッドとキラーいるんだよ。グローバルだよ。
そんなある日タウン誌を読んでいた時、気になる広告を発見しました。2週間後にコミック・マンガ・トイを集めた祭典、平たくいえばコミケ的なイベントが開催されるとのこと。「きっとここならワンピも全巻売ってるはず!そしてご当地漫画も買えるかも!」と思い立ち、行ってみることにしました。
「海外まで行ってオタクを突き通すのかよ」という想いと「海外のオタ業界を生で見る機会なんてまずないんだから進んで飛び込むべし」という想いとがせめぎあいつつ迎えたイベント当日。とりあえず会場最寄り駅から初音ミクのコスプレをした女の子の後をつけていったところ無事会場に着きました。ありがとう身長推定180センチの麗しいミク。
どうも向こうには場外コスプレ禁止というルールはないらしく、道中何人ものキャラクターとすれ違いました。
会場ロビーに入ると、映画関係のグッズ販売コーナーがあります。ブロマイドやらフィルムやら小道具のレプリカやらがいっぱい。
思わず凝視してしまった垂れ幕。
何だこの私のために揃えたような面子。ピンヘッドがセンターって日本ではまずない配置だ。
入り口後方の図。受付で入場料5ユーロを支払い、手の甲にカエルのスタンプを押してもらいます。カエルが入場証です。帰りの地下鉄にはカエルを刻まれし仲間達が大勢いました。
会場は思いのほかこじんまりとしていて、机の並べ方といい通路の狭さといい、一見日本の同人イベントと見まがうばかりです。違う点があるとすれば、本はほとんど市販品だということでしょうか。そして大抵が古本です。ざっと見た感じでは、アメコミ4:漫画4:オーストリアのコミック1:その他諸外国の本1くらいの割合。地元民による同人誌のブースもありますが、部屋が別にあって片手くらいの人しか出品していません。それについては後述します。
本と同じくらいトイの類いも多いので、古本市もやってるワンフェスといった感じです。
みんな熱心に品定めしています。アメコミや漫画を詰めた箱を置くか平積みというスタイルで、「X-MEN」「70′」などとジャンル分けはしてあるものの、お目当てを見つけ出すには根気が要ります。表紙買いするにも物量がありすぎて1冊1冊確かめるのは困難です。とりあえず立ち読みは自由なので、気になった表紙の本をパラ読みしていく戦法しかない。
客層は老若男女満遍なくいます。子どもはいるだろうなと思っていましたが、おじいちゃんおばあちゃんを結構見かけたのが意外でした。エロや2次創作系の同人誌がほとんど存在しないこともあってか、そこまでディープな雰囲気ではなく、オタクというかマニアのための空間という感じ。
帽子専門ブースで猫耳やうさ耳の帽子に混じってローの帽子が売られていたのを見た時は吹いた。 猫耳と……同列!あまりにさりげなくて、最初通った時気づかなかった。会場にはちらほら耳付き帽子を被った女の子がいたんですが、流行ってるのかな。
途中「どこから来たの?」と聞かれて、「日本ですよー」と答えたら遠くから来たねーというリアクションをされたけど、その人はアメリカのインディアナ州から来たのこと。いやあなたも十分……。
あの日日本人いたのかな。アジア系の人は見かけたけど。
着ぐるみが跋扈する会場。リスみたいな姿の着ぐるみが子どもにイラストを描いてあげてた。着ぐるみ着用で描けるなんて中の人は手練れだな。
商業コミックスが優勢な中、オーストリア発コミックを広めよう!というスローガンで同人誌を作っているサークルもありました。ピーナッツやタンタン系統の作風の描き手が集まっているようです。買った本にイラストとサインをもらえてちょっとうれしかった。
中には日本の漫画絵で描いている人もいました。
許可をとって撮らせてもらったブース。
このブースにいた女の子はオリジナルで漫画も小説もかいているとのことで、一生懸命本のあらすじを説明してくれました。壮大なSFストーリーで面白そうだったけどドイツ語読めぬ……。互いに英語が苦手でぐだぐだコミュニケーションだったけど、ノリは日本の漫画好きな子とほとんど同じで親近感がわきました。
不思議なことに、日本風の絵柄で描かれた同人誌は結構な割合で作品の舞台や登場人物が日本なんですよね。漫画絵描いてる→日本の漫画好き→日本の漫画の舞台は日本が多い→日本のこと描く ということなんでしょうか。
セリフを日本語にしたら完全に日本の漫画に見える、というものもあれば、絵柄は日本風でも構図やコマ割りがアメコミ寄りというパターンもあり、それぞれ他文化の消化の仕方に個性が出ていて面白いなあと思いました。
プロ作家によるオーストリアンコミックを売っているブースもあって、そこでも何冊か買いました。全体的にバンドデシネっぽい感じ。どれもコマ割りが変則的で1ページ1ページかっこいいのです。
この日は子ども向けの4コマ漫画やフィギュアのワークショップなども行われており、会場の空気は終始まったりとしていました。
会場に来ている人達はみんな自分の好きなものを探したり同好の士と話したりと、めいいっぱい楽しんでいるようでした。
こういう雰囲気はどこの国へ行っても変わらないものなんだなあ。
さて、当日の戦利品はこちらです。
目論見通りワンピゲット!
ドイツ語版ワンピの感想は次の記事で。
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