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キッドとキラー再登場までの過程(リクエスト企画)
遅まきながらリクエスト企画のイラストを提出致します。今回は千さんにリクエスト頂いた「キッドとキラー再登場までの過程」です。本当に本当に遅くなってしまい申し訳ございません!
何だか妙にネガティブホロウなキッドですが色々と補足させて頂きます。
頂いたリクエストは初登場から再登場までの間、時期としては「一年後」とのことでした。まずは改めてこの二年間の変化のまとめ
・キッドもキラーも傷だらけ(キッドは裂傷、キラーは火傷っぽい)
・キッドはパンツとゴーグルを残して服装変化、キラーは仮面以外変化
・キッドの左腕が義手?に(実はまだ腕がある可能性もなくはない)
・キッドの髪型がやや後ろに流し気味になった
・キラーがビルドアップした(「死ぬか生きるか〜…」の段階でシャツのボタンが留められていないので筋トレ進行中だった?)
・キラーのヒゲが伸び髪がやや短くなった服装はともかくキッドの腕が失われたことと二人の傷跡には因果関係があると思います。
深刻な大怪我を負うほどの「何か」はいつ起こったのか。十中八九ビッグマムもしくは四皇絡みだとして、その「何か」の直前辺りがぶっちゃけ一番調子に乗ってた頃だと思うんですよね。どんどん悪事を働きどんどん敵船を沈め「今なら四皇も余裕で倒せんじゃね?」くらいに思ってたところで一度ぽっきり折られてる。
個人的にキッドは全く落ち込むことを知らない人間だと思うのですが、この直後に弱気を見せてもいいんじゃないかと考えました。ほんの少しだけ。一日だけでも。例えばゾロが一度ミホークに負けて「二度と敗けねェから!」と最初で最後(たぶん)の涙を流すシーンがありましたが、キッドにもそういう先へ進むための挫折があってもよいのではないかと。
「新世界……少しは楽しませてくれるかと思ったが」という発言から明らか慢心が窺えるので、「何か」は初めての大敗だったのでしょう。快進撃に瑕がついてしまったわけです。
そしてここで大事なのがキラーの存在です。弱ってるキッドに喝を入れられるのはキラーしかいない。
以前キッドが腕を失ったことに責任を感じて落ち込むキラーの話を描きましたが、逆にキッドが落ち込んでいたらキラーが悲嘆に暮れる暇もない気がする。キッドが沈んでいたら全体の士気に関わる。それは友として右腕として見過ごすわけにはいかない状況で、「お前が折れたらおれ達はどうなる?!」と半ば脅迫めいた言葉を投げかけたりするんだけど、こういう言葉は場合によってはますますプレッシャーになりますよね。でもキラーはキッドが仲間の存在を重圧ではなく糧にできる器だと信じてるし、キッドもきっとそれで船長の自覚をより強固なものにしていけると思う。何だかんだキッドは二十そこそこの若者なので、怖いもの知らずの側面と挫折に不慣れな面っていうのが同居していていい。キラーが四歳年上なのが生きる瞬間ですね。
まあキラーもいくらか冷静とはいえ二十五とまだ青い歳なので「この調子なら四皇(仮)討てるか?」と読み誤って大事故に繋がってる可能性はあるんだけどね。何だかんだ知識があっても肩書き戦闘員だから……参謀じゃないから……。船長とナンバー2が調子づいてたら部下も止められないしむしろ一緒に乗ってくから……そして大事故へ。大事なのはその新世界の洗礼めいた「何か」を受けたことと乗り越えたこと。挫折と復活を経た二年。しかしキッドとキラーが少なくとも二年以上一緒に航海していた事実は反芻するたび幸せになれる。七三〇日以上同じ方を向いてどんな日々を送っていたんだろうか。
いつもとは別の側面から考えることができて新鮮な感覚を得られた考え甲斐のあるお題でした。千さん、リクエスト頂きありがとうございました!